2006年2月23日

セルビア系ボスニア人の戦争犯罪人、ラトコ・ムラディチはまだ逮捕されていません。しかし、彼に対する包囲網が縮められているのは事実のようです。私の知り合いのボスニア人も、「まだ捕まっていないようだ。しかし、身柄の確保へ向けて、交渉が行われているようだ」と話していました。「いいかげんに捕まってほしいものだ」とも。なにしろボスニア戦争が終わってから10年間も逃走しているのですから。彼は悪名高いスレブレニッツァで、8000人のイスラム教徒が虐殺された事件などについて、国際戦争刑事法廷から起訴されています。

セルビア政府は、来週月曜日のEU外相会議へ向けて、同国が戦犯の逮捕へ向けて努力していることを示すとともに、ムラディチを今も英雄視している人が少なくないセルビアで、逮捕の報が流れた場合に、国民がどう反応するかについて観測気球を上げているのだという見方があります。いずれにしても、歴史的な瞬間が近づいているようです。

いっぽう、フランスではユダヤ人の若者が3週間にわたり身代金目的で誘拐され、食物もろくに与えられないまま拷問されていたのが見つかり、病院に運ばれる途中で死亡しました。同じグループが、他のユダヤ人ら6人を同じように誘拐しようとしていたことがわかっており、ユダヤ人を狙った、人種主義的な犯行である疑いが強まっています。このためフランスでは人種主義に抗議するデモが近く行われる予定です。この事件も後をひきそうです。